セミナー概要

9月5日(木)、リクルートキャリアは、リクナビHRTechシリーズにて初となる、リクナビHRTech 評価管理導入企業向けのセミナーを開催しました。リクルートキャリアにて現役人事を務めるマネジャーによる評価制度の重要性の解説や、導入企業さまによるリアルな体験談など、ここでしか聞けない、評価管理に役立つ内容をお届けしました。セミナー内容のダイジェストをご紹介します。

登壇者

株式会社リクルートキャリア アドミニストレーション統括室 人事部 マネジャー 白松真梨
株式会社FLIGHTS HRマネージャー 佐々木祐介氏

リクナビHRTech7 評価管理イベントの様子

【第1部】リクルートキャリア人事が語る! / リクルートキャリアの評価制度運用(白松)

株式会社リクルートキャリア アドミニストレーション統括室 人事部 マネジャー 白松真梨

人事制度の中心に「CDC」が位置付けられている

リクルートキャリアにおける人事制度の中心には、「CDC=キャリアディベロップメントサイクル」があります。これは、個々が仕事の経験を通し、学び、成長するためのサイクルです。

  • 自分自身の現状の強みや課題を正しくとらえて、「何を実践すればWillに近づけるのか?」というプランを描く
  • ミッションを通じて「実行=経験」する
  • 「Willの実現と、さらなる成長に向けて実行したこと」の結果と、「磨かれた強み・課題」を振り返る
  • 一人ひとりの中長期のキャリア(何を実現したいのか?自分はどうありたいのか?というWill)を、上司と共に探求・共有する

「CDC」では、これらのサイクルを半期ごとに繰り返していきますが、その際の評価管理に活用されているのが「WCMシート(ウィル・キャン・マストシート)」です。

Will、Can、Mustを明確にするこのシートを使うことにより、「一人ひとりのキャリアにおいて、何を目指し、どんな強みを持っているのか。そして、今の仕事にどう関連付けていくのか」を具体的に落とし込んでいきます。

リクルートキャリアで人事を担当し、評価管理の土台を築いてきた白松は、「WCMシートは、人材を管理するためのものではない。一人ひとりの実現したいことが軸になっている」と話します。

リクナビHRTech 評価管理イベント中に投影されたCDCについてのスライド
▲イベントで投影した、CDCについてのスライド

「リクルートには“人材観”というものがあります。『人は誰もが“かけがえのない持ち味”を持ち、成長し続けることができる』。そして、『私たちは、どんな時でも、その一人ひとりの可能性を信じ、期待し続ける』。こうした考え方のもと、社員それぞれの可能性を支援していくために、CDCがあり、WCMシートがあるのです。どういうことを実現していきたいのか、そのために、どんな強みを生かし、何をすればいいのか。これについて、対面でしっかりと会話し、フィードバックを重ねながら、本人の次の成長に生かすことが目的であり、その中心にあるのが“評価”なのです。」

CDCのスケジュールについては、4月に目標を定める期初の面談を行い、期中の中間面談では、その進捗や課題、必要なサポートについて話し合った後、9月にも面談を実施します。これを半期ごとに繰り返しますが、白松は「上司がメンバーに、真剣に向き合うことによって、それぞれが大きく成長することを実感している」と話します。

さらに、CDCでは、年に2回、組織横断で人材を育てるために「人材開発委員会」を実施しています。個々のメンバーにとって、どのような仕事やポストが適切かを検討するこの場では、部単位で、全ての課長・部長が集まって議論を行います。中長期的な視点で、グループや部を超えた組織横断での任用や配置、ミッション設定を検討しています。

また、上司だけでなく、部下、同僚による「360度評価」も行っています。

「メンバーの自己認識と、他者の評価とのギャップを実感し、気づきを得る機会としています。人材開発委員会や360度評価などによって、上司はかなりの時間を割いていますが、メンバーと相互に理解を深め、適切なフィードバックを行うためには非常に大事なことであると考えています。」

リクルートキャリアの変遷と人事管理システムができるまで

株式会社リクルートキャリアは、2012年10月、株式会社リクルートの人材採用系事業であるHRカンパニーと、日本最大級の転職エージェントであり株式会社リクルートエージェントが事業統合したことによって、誕生した会社です。

白松が人事を担当するようになったのはまさにこの時期で、「当時はすべての人事施策をエクセルで管理していた」と言います。

「社員全員のWCMシートをメールや共有ドライブで受け渡していたため、膨大なエクセルファイルを管理する作業に時間を費やしていました。これにより、人事担当者は、本質的な業務に時間を割くことができない状態となっていたのです。また、多くの社員がWCMシートを基に頑張っている一方、その情報が点在していることで、適切な人材配置を行うために膨大な時間がかかってしまい、結果的に社員の成長や自己実現の機会を損失していると痛感しました」

リクナビHRTech7 評価管理イベントに登壇する白松

こうした状況の中、「社員の軌跡を線でつなぎ、次の育成にしっかりと活用していきたい」「人事の時間やパワーを、作業ではなく、本質的な人事業務に注ぎたい」という考えの下、人事管理システムの導入に向かうこととなりました。

「2013年8月に、人事部内の15名程度を対象に、限定的にスタートしました。まずは過去のデータを移行し、安全性を確保するため、テスト的な導入を行ったのです。この後、10月には役員10名程度を対象に、人事管理システムについてのレクチャーを行い、『もっとこうした方がいい』というアイデアが出るまで、徹底的に使い込んでもらいました。さらに、2014年4月には、当時、200名程度であった組織長へと対象を広げ、『これは便利』と思ってもらえる土台づくりを続けました。全メンバー(当時、約2500名)に向けて完全導入をしたのは、2014年9月のことです」

白松は、新たな人事管理システムを導入し、浸透させていくための手法について、実行すべきことについて、下記の要点を挙げました。

  • まずは、人事部などの一つの部署や管理職者などを対象に、「小さくスタート」する。
  • 段階的に展開しながら、影響力や発言力のある人材を巻き込み、「協力者を増やす」。
  • 賛同を得ていくことで、やがて、“このシステムを活用すること自体が画期的である”という「風土そのものをつくる」。

「さらにもう一つ、私たちが大事にしていたことは、『人事の本気を見せる』ということでした。シンプルな操作マニュアルを作成するだけでなく、ログインなどの細かい操作についての質問にもすぐ対応し、質問者のデスクまで何度も足を運ぶ。改善のアイデアが出れば、それをどんどん生かしていく。そうした本気の姿勢を見せ続けたことで、現場からの理解を得ることができたと感じます」

【第2部】 従業員のモチベーションをアップする人事制度の導入で、業績アップも果たした!(佐々木氏)

株式会社FLIGHTS HRマネージャー 佐々木祐介氏

ある事業部の売り上げ停滞を機に、人事制度導入による課題解決へ

第2部では、リクナビHRTech評価管理システムを導入されている株式会社FLIGHTSのHRマネージャー、佐々木祐介氏に登壇いただきました。

ドローンによる各種事業を展開する同社は、2016年に設立されたベンチャー企業で、現在、従業員数50名の規模となっています。

佐々木氏は、人事のプロフェッショナルとして派遣会社やWebベンチャー、ゲーム会社などで活躍後、2018年、同社に専任人事という立場でジョインされました。人事管理システムを導入した背景について、「従業員のモチベーション低下について、社長から相談されたことがきっかけ」と話します。

リクナビHRTech7 評価管理イベントに登壇中の株式会社FLIGHTS・佐々木氏

「ベンチャー企業は、なかなか人事制度の整備まで手が回らないことも多いと思います。当社も同様で、僕がジョインしたころは、賃金規定や就業規則もない状態だったため、会社として最低限必要な人事制度の整備を続けていました。

そんな中、代表から『社員のモチベーションがいまひとつ上がっていない。今後の成長に向かうためにも士気を高めたいが、そこに大きなコストを割くことは難しい。何か方法はないか』と相談されました」

この時、佐々木氏は、「社員のモチベーションをアップするには、新たな人事評価制度の仕組みが必要。しかし、コストをかけない方法でスタートすれば、人事領域から会社のさらなる業績向上にも貢献できるはず。すべて解決できるのではないか」と考えたそうです。

「『佐々木的モチベーション向上&売り上げ向上プログラム』をやってみたいと社長に話し、まずは当時の全社員37名に向けて面談によるアンケート調査を行いました。なぜモチベーションが上がらないのか、どうすれば改善するかなどをヒアリングし、結果を分析してみたところ、『仕事にやりがいは感じているけれど、やる気が出ない』という傾向が強いことがわかりました」

調査を通じて佐々木氏が立てた課題と解決の仮説は、以下のようなものでした。

  • ミッションが不明確=等級制度が必要
  • 何をすれば評価され、昇級するのかがわからず、将来が不安=評価制度が必要
  • 同業他社の給与と比べ、差を感じる=報酬制度が必要

そこで、佐々木氏は、今後、会社が成長して社員数が100名になることを想定した等級制度を設計し、そこに連携させる形で、評価制度や昇格・降格の条件、報酬制度の設計なども一人で進めました。

「まずはやってみましょう」のスタンスで経営層も納得

新たな人事管理制度の導入について、経営層を納得させたのは「まずはやってみましょう」のスタンスだったと佐々木氏は話します。

「そもそも人事制度というものは、一朝一夕にできるものではありません。まずは作ってみて、テスト的に運用してみなくては何も始まりませんし、現場からのフィードバックをもらいながら2〜3年かけて改善していくことで、自社のカルチャーにフィットするものが作れると考えています。それに、リクナビHRTechの評価管理を活用すれば、イニシャルコストもランニングコストもかかりません。こうした考えの下、『まずはやってみましょう。それで効果がないならやめましょう』と代表に話しました。また、トライアル導入で僕の仮説が立証されれば、今後、さらなる発展が期待できることも伝えた結果、15分でOKが出ました」

リクナビHRTech7 評価管理イベントに登壇中の株式会社FLIGHTS・佐々木氏

一方、社員を納得させるために下記のような説明を行ったそうです。

  • アンケートとヒアリングの結果をまとめたシートを見せて、仮説について説明
  • 立証された場合のメリット(給与アップの可能性あり)と、デメリット(昇級なし、降格の可能性あり)を伝えた
  • 制度の導入・廃止基準を設定し、社員が導入可否を判断することを明言

これにより、全社員からもすんなりと同意を得ることができましたが、人事担当として動けるリソースは佐々木氏一人のみのため、「それが最後の壁になると感じた」と話します。

運用リソースを最小限に抑えるために、7社の評価管理システムを比較した結果、リクナビHRTechを選択しました。その理由としては、『さまざまな面で評価管理の工数を削減できる仕組みがあること』、『導入コストが一切かからないこと』、『今後のサービスの成長性に可能性を感じたこと』がポイントになりました」

2019年6月よりテスト導入をスタートしましたが、導入直後から売り上げに変化が見られ、2カ月後には売り上げ速度が回復したと佐々木氏は話します。

「とはいえ、あくまで仮説検証の段階なので、運用と分析を続けながらさらなる改革を目指していきます。経営層も効果を認め、ミッション・ビジョン・バリューなどの経営理念の構築にも取り掛かることになりました。特別なリソースがなくても、評価管理の仕組みは作れますし、運用もできるものですし、現状、社員の意識も経営層の意識も変化し、いろいろな面がうまく回っていることを実感しています」

【第3部】リクナビHRTech評価管理ご紹介(初期設定方法 / 個別相談会)

質疑応答タイムを経て、初期設定セミナーや個別相談を実施

今回のセミナーでは、質疑応答に使えるITツールを使い、セミナー中にもスマートフォン、PCを通じて随時質問を受付する仕組みを作っていました。2部構成のセミナー終了後は、白松と佐々木氏への質疑応答タイムとし、「評価者の教育方法はどうすればいいか?」「等級制度の公開に対し、現場の反発はあったか?」等、参加者の皆さまの疑問を解消していきました。

リクナビHRTech7 評価管理イベントで質疑応答を受ける株式会社FLIGHTS・佐々木氏(右)と株式会社リクルートキャリア・人事の白松(左)

さらに、第3部では、リクナビHRTech評価管理の初期設定について学ぶコーナーと、個別に相談ができるコーナーを設け、導入の初期設定でわからないことから、運用に関する疑問まで、さまざまな困りごとの解決をお手伝いしました。

リクナビHRTech7 評価管理イベント第3部・相談会の様子

こうして、3部にわたるセミナーが終了。 参加者の皆さまからは、「システムの説明だけでなく、評価管理の導入についても他社の事例が聞けて勉強になった」「評価管理の重要性を再認識できた」「不明だった部分が明確になり、制度の正式リリースができそうだと感じた」「個別相談会で知りたかったことを把握できた」といった声をお寄せいただきました。